あまりにも 君に縋りたくなったので 涙は外套の内ポケットへ 嗚咽は七時のサイレンへ それぞれ呉れてやることにした
腫らした目は兎どもへ 震える肩は脱穀機械へ 無理を言って置いて来た
これで泣くのは空っぽなのに 涙もなしにうるむこころを どこへ仕舞えば良いというのか
月は乾いた目で見ていて 白い服を着ておいでという お前を弔うには似合いと 泣くもできない抜け殻へ言う