凛灯舎

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Poetry

そのあいだ

手を挙げてまっさらにはなれない

諸手を高く伸ばし爪立つ
背の筋の一つが張る
あの山を丸める土くれと水
道行く当て所ない音まで
包み込む概念
遠くとも一部であるもの
私の知らぬところで
現象に化けて散ったもの

君はまだ信じているのか
空が何か純粋なものの為にあると
木々が風に鳴き
虫が花を連れる間
私は世界の屍に昼寝し
利権の意思を食らった
目を 耳を 口を塞ぎ
腕を 首を 力なく垂れた
無力の人と見えるよう

諸手を高く伸ばし爪立つ
夏の雲が消えようとしている
北でなくとも冬は来るのだ
長く色のない季節に
険しくはない、ただ淡々と
ゆっくりと絶える年だろう
信ずるに足るもの全てが
がらくたに化けて死ぬだろう

手を挙げてもまっさらにはなれない
しかし指先は空に透け
太陽に温かく脈打つ
躯は地にしがみついている
それだけを証しとするならば

たったいま知ったのだ
息の続く
そのあいだで

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