雨が街灯に踊らされ きりきりと雪のようだった
タールに心の臓は痛み さめざめと恋のようだった
湿り気が夏の熱を帯び しずしずと逝くようだった
行き交う人の目は遠く とつとつと過ぐようだった
彼人の声はすべらかに ぴかぴかと銀のようだった
久方の友の肩 甘く さんさんと降るようだった
私は暫し独りを忘れ おろおろと幸いのようだった