懊悩が似合うなどとは思わない
頬杖を付くに 僕の腕は弛んでいる 遠くを見遣るに 僕の目は藪睨みで 深刻を紡ぐに 僕の唇は締まりがない
衰弱するに 僕の臓腑は貪欲で 透けて飛ぶに 僕の黒髪は重く 儚く散るに 僕の骨は動物的で
無様な肉塊になる時もあれば 唯一の万能になる時もある
懊悩が似合うなどとは思わない 総てのうつくしいものに 寄り添えぬことは知っている 総てのすばらしいものを うらやむだけは知っている