純粋の役立つことなど 風の音 その匂い 猫目の金色 打球聞こえず 少年たちの声も また
昼への亡命 教室を朗読する 目鼻口なく 耳もなく 心臓だけ 動く
夜の系図 潜暗の限界 明けるか 滅ぶか 泳ぎながら 見る
光に頼り 闇を抱え 人は触手を伸ばすので 純粋の付け入る隙など
晴天とアンテナ 砂利に横這い 人込みの遭難 西日に腕を掴まれぬよう
光を裂き 闇に耐え得る