凛灯舎

Contents

Poetry

闇に耐え得るの図

純粋の役立つことなど

風の音 その匂い
猫目の金色
打球聞こえず
少年たちの声も また

昼への亡命
教室を朗読する
目鼻口なく 耳もなく
心臓だけ
動く

夜の系図
潜暗の限界
明けるか 滅ぶか
泳ぎながら
見る

光に頼り
闇を抱え
人は触手を伸ばすので
純粋の付け入る隙など

晴天とアンテナ
砂利に横這い
人込みの遭難
西日に腕を掴まれぬよう

光を裂き
闇に耐え得る

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