凛灯舎

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Poetry

現象

花陰にひそむ女のような
透明にはならない
パステルめいた朝のような
透明にはならない

時に図太くはねっ返り
ぎりぎりと傷付ける
硬く脆い骨と
やわらかな肉で覆われた
実在

存外に恐ろしくはない
はかなくも切なくもない
不恰好な有り体のまま
体躯は描き出され
君の声と手のひらで
わたくしは現象するのだ

誰をも触れさせぬような
透明にはならない
わたくしはもう
透明にはならない

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