花陰にひそむ女のような 透明にはならない パステルめいた朝のような 透明にはならない
時に図太くはねっ返り ぎりぎりと傷付ける 硬く脆い骨と やわらかな肉で覆われた 実在
存外に恐ろしくはない はかなくも切なくもない 不恰好な有り体のまま 体躯は描き出され 君の声と手のひらで わたくしは現象するのだ
誰をも触れさせぬような 透明にはならない わたくしはもう 透明にはならない