夜の空は鈍く凍りぬ
波は静かなカーヴを描いて
秒に合わせ
脈に合わせ 同化せる
華々しくまします冬に
密かなる残り香は呑まれ
雪に混じり
息に混じり 平和せる
大気が満ちるなぞおかしなことだ
君は言う
可視不可視の無意味
同じだけの尊き
ひとり行く人よ
ひとり来る人よ
ひとり今をある君の
同じだけの貴き
ああ、どうぞ
まだ詩うに能いますように
詩うに能う
夜明けとせますように!
いざ華々しくまします冬に
夜は暮れて廻り出で
君へ向かい
時へ向かい
明へ向かい 灯火せる