凛灯舎

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Poetry

回遊

はてのない暗やみに
君が紅ひく日を思った

さんざめく灯り
明滅は波を模せど
動を許されぬ
営み
私はそれに紛れようと
紛れようと

トルクは私を乗せ
這うような滑らかさで
反射鏡の視線をかわし
視線をかわし
かわし

針路は食料品店へ
本屋も覗こう
靴も選ぼう
明日は遠出をする
そしてまた日々が始まる
その後は
―――その後は
わからない
後は

はてしない暗やみに
君がいつか紅をひく日を思った
ネオンは増減し続け
ひと所を回遊している
清潔な宵闇の中
生ぬるくたゆたう波
私はそれに抗いながら
紛れる為に生を持つ

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