空の底が抜けたので 青は冴え冴えとしている 鳴り止んだ消防の鐘と あさってを示す風見鶏
私たちは時の水に突っ立つ葦だ 様々に啄ばまれながら やさしく朽ちてゆくことができる
人は人をして人工であり 私は風をして 青の下でうごめく魂である 一個体はふるえ 遠い夜を待っている
さやかな揺れ 生くるべく全ての合奏に あらがわず騒めく 光
雲は健やかな毛足で 私の内を染め上げる 吹き抜ける新たな青と ただ直ぐに伸びゆける葦