鋭敏は逝ってしまった 深くしめやかに流れる河は やはり静かに消え失せた
細胞を腐らせている 生きながら腐らせて生きている 死者の夢見る合間にて 生者はつたない舞踏する
流れ永らえる血を掌り 生命のみが生命を認む 無限を食み有限へ還る 旅の途中に私は在る
鋭敏は逝った 気付かすだけの欠片を置き 餞も言わさぬ密やかで かれの残したうたはまだ 清しく香りを染みらせて この身に新たな私を植む
今