凛灯舎

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Poetry

花向け

鋭敏は逝ってしまった
深くしめやかに流れる河は
やはり静かに消え失せた

細胞を腐らせている
生きながら腐らせて生きている
死者の夢見る合間にて
生者はつたない舞踏する

流れ永らえる血を掌り
生命のみが生命を認む
無限を食み有限へ還る
旅の途中に私は在る

鋭敏は逝った
気付かすだけの欠片を置き
餞も言わさぬ密やかで
かれの残したうたはまだ
清しく香りを染みらせて
この身に新たな私を植む


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