凛灯舎

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Poetry

産声

ずっと嗄らしているのだから
あたりきの言葉ではこまる
恐ろしいほどの生きた唄
あたりきの詩脈ではこまる

美しくもないこの咽喉は
幾年瀬か叫ぶことをせず
押し殺した数多の意思に
音もなく声を嗄らされた

慣れるのは心地良いだろう
情報による残像の既視
見知らぬ友人に凭れるように
安穏と慈愛の菓子をして

ずっとさがしているのだから
無二の唄でなくてはこまる
全体躯に知らしむような
時宜を備えてなくてはこまる

青み 足掻き 焦り 抗い
それから悪さに至るまで
嗄れた咽喉に乗せよう
まちがわず息のできるよう

ただ一度
それを産声と呼ぶために

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