凛灯舎

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Poetry

春流

祈年の太鼓のつかい手が
川底をさらい舞っている
どおんどうんと飛沫上げ
絶えぬ雪解けを引き連れて

なにもかも溶かして行く
もう凍り付くこともない
塞き止められることもない
山の神の意のままに
巻き込まれた命さえ
なにもかも押し流すのだ
大地の熱は留まれぬ

ごおうごおおと合唱し
春の大群は流れを下る
大きな川石をそそのかし
魚を蛙を揺さ振り起こし

この手が木の芽を摘み採るまで
この足が青草を踏み締めるよう

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