饒舌な夢を黙らすには
心臓を少し削れば良い
少しずつ 少しずつの内に
不恰好で愛らしいかたまりは
つんつるてんに丸くなる
口と目と鼻を均し
動と静の出入口を潰し
室房だけがためらいもなく
どっこどっこと住んでいる
中毒のような振動で
正直なところ
大して困りはしないのだ
血液が経巡ってさえいれば
生きていられる算段なので
面子をもらえる手筈なので
ああ けれど
成長の澱に削られた
きらきらした欠片といったら
決して滑らかでない器官を
得難い音でときめかすのだった
光らずとも絶えることなく
―――得難い音で
私を望ませるのだった