すりへった硝子片のように 辺りは白い 薄ら白い 雪のやって来る夜だ
あめた砂糖菓子のように 雪は積もる また積もる 闇が浮遊する夜だ
細く哀しい旋律が 聴こえるのを皆知っている 雪闇に耳を奪われて それしか聴こえぬようになるのを
降る降り降れよ雪の闇 明日の朝には真白になろう 子供らはそこに遊びもしよう あしあとはやがて道にもなろう